【Episode64】4歳11ヶ月 夏休みの目標

他のインターナショナルスクールのサマースクールに息子を参加させたことがないので、全てのインターナショナルスクールがそうだとは言わないけれど、とにかくサマースクールは遊んでばっかり。最初の2〜3日は、ちょこっとジャーナルを書いたり、ワークをしたりしてたみたいだけど、すぐに「今日は何したの?」という私の問いかけに、遊んだ内容しか答えなくなるのよね。この年のサマースクールはひとつ上の学年と合同クラス。8月生まれの息子は1番のおチビちゃんだったけれど、それ故に皆に可愛がられていた。息子も周りにお手本となる年上の子がたくさんいたので、何事にも積極的だったような…。空梅雨だったこの年は、校庭に凄まじいデカさのビニールプールを2つ置いて、ひたすら水遊びをしていた。ただ、どうしてもプールと校庭を行ったり来たりして遊ぶし、身体についた水をタオルでキチンと拭き取らないまま着替えをしていたので、身体にも服にも砂をたっぷりつけた状態でのご帰還。お風呂場に直行、シャワーを浴びさせていた。砂も汗もシャワーで流して清潔にしていたはずなのに、しっかり汗疹ができてしまい、湯船に浸かるたびにヒーヒー叫んでいたっけ。東京から九州に引越しをして、いろんな環境の変化についていけない息子を随分泣かせてしまった去年のサマースクールとは雲泥の差。息子が楽しく通っていることに、とにかくホッと胸を撫でおろしていたのをよく覚えている。
生まれてきた時は、「息をしているだけで上等!このままずっと何事もなく元気でいておくれ」と切に願っていたのに、それからたった5年弱で、息子への要求も上がっていったものだ。やれ 運動をしろだの、やれ 鉛筆持って迷路のドリルをしろだの。もちろん息子がやりたいと思ってやっていたことなんだけど、この時期は確実に親の誘導があったわけで…。無駄撃ちも多かったけれど、興味を持ちそうなものをを次から次へと息子にぶつけ、興味を持った、或いは楽しんでるとわかったら、掘り下げていた時期だった。最初は楽しんでいたのに、息子は壁にぶつかると途端にやる気を失くすので、モチベーションを維持するのも大変。ドリルを用いての学習は、先取りをしなかったからか、難しいとか解けないということがなかったので、特に嫌がることもなく、毎日コツコツ取り組んでいた。問題は体操教室とスイミング。身体を動かすことが大好きなので、基本的には楽しくレッスンを受けていたのだけれど、ちょっと壁に当たると、途端に「へなちょこ」になってしまう。ただ息子の場合、能力がなくて壁を越えられないのではなく、恐怖心を克服できなくて壁を越えられないのがほとんど。そうなると、体操教室やスイミングの先生の優しい言葉と甘い対応ではダメで、スパルタ母さんの出番となる。とび箱はジャンプ台までは勢いよく走ってくるけれど、恐怖心から失速し、勢いのない状態でジャンプするものだから、手も前の方につけないし、お尻も上がらない。私の父に馬になってもらって特訓。走ってきた息子の身体を支えてながら、お尻グッと持ち上げて前に押し出すことを数回すると、体勢が変わることにも慣れて恐怖心も何処へやら。体操教室は、とび箱が跳べたことで、またやる気が出たけれど、スイミングは厄介だった。蹴伸びが上手くできず、なかなか進級できないでいた。時々近所の市民プールで練習してたけど、しがみつくものがない状態への恐怖から、しっかり蹴伸びができず、毎月末の進級テストの度にがっかりした表情で戻ってきていた。何ヶ月も進級できないと、だんだん気持ちも萎えてくる。とうとう更衣室で「プールに行きたくない」とゴネるようになってしまった。「進級して辞めるならいいけど、進級できないという理由で辞めることはしない」と鬼の母を貫き通していたけれど、こちらも辛かったよ。今月の進級テストも難しいかなぁ思って送り出したところ、なんと、更衣室に戻ってきた息子の手には7級のワッペンが。驚きつつも息子と一緒に喜んでいたら、後ろからコーチが追いかけてきて「8級が長かったということもあるんですけど・・・。足をちゃんと伸ばしてね」とダメ出しをして去っていった。ハハ…、お情けで進級させてくれたのね。それでも合格は合格!あれだけ「プールに行きたくない」「やめたい」って言ってたのに、180度変わって「僕ねぇ スイミング好き!」と言ってのけるんだから…。いいねぇ、そのポジティブシンキング。