【Episode63】4歳9ヶ月 逞しくなっていく母

そう 私は虫が大嫌い!幼い時、父が私にタバコの箱(忘れもしないHOPEだよ)を渡して、「開けてごらん」。人を疑うことを知らない、純粋無垢?だった私は素直に箱を開けてビックリ😳。ホタルがぎっしり入っていて、次の瞬間、部屋じゅうに飛び出し、お尻をピカピカ。多分ホタルを見たのは、それが初めてじゃないかな?ホタルに驚いたんじゃなくって、お菓子が入っていると思ったのに、虫が入っていたからパニックになってしまったんだよね。タバコの箱にお菓子が入っているわけないんだけど、幼い私はHOPEがタバコだと知らなかったんだもん。私が喜ぶだろうと思っていた父も、パニクって泣き叫ぶ私をみて、慌ててホタルを回収してたけど、父にとっても、私にとってもすっかり黒歴史になってしまった。従兄弟には羽化したばかりのセミを背中に入れられたし、寝相が悪くてGブリホイホイに足を突っ込んで、Gブリと一緒にネバネバ地獄で悶絶、同級生にはゴマダラカミキリを手の甲に突然置かれたことも。とにかく虫との出会い方が常に最悪なので、その度に虫嫌いに拍車がかかってしまい…。
虫が嫌いだと、出会いたくないから余計に虫の気配に敏感にもなる。中高校時代は夜中に勉強をしていて背後に殺気を感じて振り向くと、大体Gブリと目が合ってた。虫嫌いの元凶となった父を起こして退治してもらっていた頃はまだ良かったけれど、親元から離れて暮らすと、そうもいかない。マメにバルサンを焚いたり、Gブリだんごを部屋のいたる所に置いて、敵との遭遇は何とか免れていたのに、1回だけ鉢合わせしたことがある。万一の時に備えて部屋に置いていた殺虫剤を手に取り、敵にシュッとしようと思うけれど、近づくこともできないっ!このまま見逃してしまうと、敵に部屋を乗っ取られてしまうではないか!そこで私は思いもかけない行動に出てしまった。部屋を飛び出し、隣の部屋へ。もちろん会ったこともない。女性か男性かもわからないけれど、虫とお友達になれる女性であることを期待してピンポ〜ンって押しちゃった。ところがインターホンから聞こえたのは男性の声。一瞬迷ったけれど、背に腹はかえられぬ。「隣の部屋の〇〇ですが、Gブリがいて…、すいません捕まえてください」と言うと、一瞬沈黙があったものの、「わかりました」と言って部屋から出てきてくれた。呆れたことに、私は自分の部屋の玄関を開けながら、どの辺りに敵がいるかをお隣の方に伝え終わると、その方を部屋に残したまま、玄関を閉めて外で待機してしまった。5分ほど経って「もう大丈夫ですよ」と私の部屋から出てきたお隣の方は、「嫌でしょ、Gブリ。僕が捨てておきますね」と仏様のような対応をしていただいた。もうね、後光が差してたよぉ。そのことを家族や友人に伝えると、「なんと危ないことをしてるんだ」とか「Gブリを使った新手のナンパと思われてるよ」なんてケチョンケチョンに言われたけれど、無理なものは無理なのよ!
だから、息子には虫ごときでオタオタして欲しくなかったのよね。夫と一緒に暮らしている時は、虫のことは夫にお任せしていたのだけれど、息子と2人の生活になったら、私がやるしかない。虫嫌いの私の息子だから、自分から興味を持つことはなかったし、触ることなんて全くできなかった。もう腹を括って虫を掴み、息子にホイって渡すしかなかったのよね。お陰で息子も徐々に虫に慣れていったけれど、息子以上に私が虫とお友達になれました。なんだか、今回は私の話ばかりで…。次回は平常運転で行きます。