東大・海外大学(HYP)合格・「日本語も英語も」のためにやったこと

【Episode158・最終回】周りの反応は・・・&『早期英語を検討されている方へ』

 
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2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
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息子がEarly Actionで海外大学に合格した際、家族ぐるみでお付き合いのある大島家に電話で報告。「良かったわね」と一応は喜んでくれたものの、極めて反応が薄かった。「それで東大はどうするの?受験するの?」と大島さんの関心は、東大受験とその合否のみ!

確かに、息子がEarly Actionで海外大学に合格したことを学校に報告した時も、もちろん先生方は皆さん喜んでくれたみたいだけど、必ず「次は東大頑張ってね」と声をかけられたらしい。特に進学担当の先生にいたっては「東大受けるよね?」と何度も聞いてきたので、帰宅した息子は「Earlyで合格した日くらいは、次のこと考えたくない。なんも言わんで欲しい」とちょっとお怒りモードだったけど、先生の立場からしたら「東大◯人合格」の方が保護者や入学希望者にはまだまだ注目されるだろうから、そっちに流れてしまうのも仕方ないよね。

そういえば、これは息子から聞いたんだけど、息子の通った中高一貫校は、高校3年の時の受け持ちクラスの東大合格者数に応じて担任にはポイントが与えられる、とか。Ivyリーグに合格した場合は東大よりさらに高いポイントが付与され、査定やポストに影響があるんだとか・・・。息子は東大もIvyもどちらも合格したので、高3の時の担任の先生はたくさんポイントをゲットしたはず。確かに、高3の担任の先生にはお世話になったけど、“海外大学の推薦状は高2の時の担任の先生に書いていただいたので、こちらにもポイントをつけていただきたいなぁ”と思わないでもなかったけれど。

話がちょっとズレちゃった。東大合否が判明したのにもかかわらず、大島さんに連絡するのをすっかり忘れてしまっていた私。夕方、大島さんから着信が入って、初めて「ひぇー大島さんに知らせるの忘れてた!」と思い出し、焦って電話に出ると、大島さんが「どうだったのよぉ!」と不安そうに聞いてきた。こんな時間まで私から連絡がないものだから、不合格を確信した大島さんの声はダークモード。「合格してます。報告が遅くなってすいません」と告げると、それはそれは大喜び。Early Action合格を報告した時とは喜び方の熱量が全然違う。

私「大島さん Early Actionで合格した大学の方が凄いと思うんですけど…」

大島さん「何言ってるのっ!東大はみんな知ってるじゃない。そっちに合格したっていう方がみんな“凄いじゃない”って言うのよ」

だって。そんなものよね。

実際、海外大学に行ったとしても日本(日系)の企業に就職する可能性があるので、大島さんや学校の先生の対応を目の当たりにすると、海外大学だけではなく東大に合格していることも大事と考えて併願したのは見当違いではなかったな、と思った次第。もちろん、それ以外にも理由があって日米併願をしたんだけどね。

船会社に勤め、海外経験の豊富な大島さんのご主人は「日本人にとっては東大かもしれないけれど、海外の人は東大より◯◯(息子の名前)が合格した△△大学(海外大学)の方をよく知ってるからね」とフォローしてくれたらしいけど、全部終わったら、もうなんでも良いや。息子が納得してるなら。

さて、4コマ漫画はこれで終了となります。2020年7月にスタートし、途中何度かお休みしながらの2年ちょっと、お付き合いいただきありがとうございました。最後に『早期英語を検討されている方へ』の私からのメッセージも是非読んでいただけると幸いです!

 

『早期英語を検討されている方へ』

早期英語をするなら、就学前は可能な限りプリスクールやインターに通わせることを私はお勧めします。それは、息子をバイリンガルに育ててみて、この時期にネイティブと同じようにコミュニケーション力を身に付けることが最も重要だと思っているからです。

我が家は、息子を、おうち英語ではなく、2歳からプリスクール、その後九州のインターナショナルスクールに通わせ、いわゆる英語漬け(イマージョン)教育をしました。おうち英語ではバイリンガルになると想像出来なかったし、親が英語が苦手なので、「環境」を与えることにしました。結果、比較にならない量のインプット/アウトプットによって、本当にネイティブと遜色なく、英語をコミュニケーションの手段として習得していきました。

息子が通ったインターでは、一般的なネイティブと同じように、エレメンタリー(小学校)になってから、書く力、そして文法力を身に付けさせます。それまでに「コミュニケーションの手段」として身に付けた英語が「学ぶため、考えるためのツール」になっていくのです。初等教育から4年間、英語で学ぶ環境にいた場合は、その環境から離れても、一定の努力によって保持出来るという調査がある通り、息子は5年生まで5年半の初等教育をインターで受けて6年生の始めから日本の小学校に転校したので、中学受験で1年間のブランクはありましたが、中高ではネイティブによる英語の取り出し授業を受け、均衡バイリンガルに育つことが出来ました。

私の考えは、これらの経験からのものです。早期英語をするなら、ネイティブと同じような環境に子供を入れることです。早期英語に取り組んだけど、うちの子には「向いていない」とか「男女差」とか「子供による」などの話を耳にします。私はそうは思いません。多少の差はあるかも知れませんが、そもそも、世界中の子供は誰でも与えられた環境の言語を習得し、その言語で学習して定着していきます。その「環境」の中にいれば、どの子も言葉は習得するのです。与える「環境」=「習得方法」の選択が決め手になると思います。

インターでは、就学前は大量のインプット/アウトプットとコミュニケーション、就学してから、書く力、そして文法。授業を通じて、単なる「コミュニケーションの手段」から「学ぶため、考えるためのツール」になっていくことは前述しましたが、加えて、その間ずっと継続するのはかなりの量の読書です(これは早期英語でなくても同じですね)。このやり方は、ネイティブが英語を習得するのと同じで、私達日本人が日本語を習得するやり方とも同じです。急かさず、無理をせず、そんな環境があれば子供はその言語を習得すると思います。

ただ、就学前にそうやって習得したネイティブと遜色ないコミュニケーション力も、その環境から離れたら、瞬く間に喪失してしまいます。実際、プリスクールの時にはネイティブと同じように英語を話していたのに、日本の小学校に通ったら、対策したけど保持できなかったという方が多いのが現実です。初等教育から4年間、英語で学ぶ環境にいた場合は、その環境から離れても、一定の努力によって保持出来るという調査の話をした通りです。「早期英語の最大の課題は、就学前に身に付けた英語力の保持」なのです。そのために、就学前はプリスクール、小学校からは、インター+家庭or学習塾という「逆転の発想」をしてみませんか?

そもそも、初等教育(小学校)に求めるものは、「学習」と「人として調和のとれた育成」です。インターに通うと「英語以外の学習が心配」とか、「中学受験を考えると学習が不安」と言ってインターから日本の学校に移る方が多いのですが、その後、英会話教室に通いながら、場合によっては低学年から学習塾に通わせていますよね?「学習」は学習塾に期待して通わせるのであれば、小学校には何を期待しているのでしょうか?「人として調和のとれた育成」を期待するなら、インターも十分に応えてくれます。むしろ、多様性やリーダーシップなどこれからの日本人に求められていることは、インターの方が期待できるかもしれません。また、親が英語ネイティブではなく、日本の教育や受験制度の中で学んだのであれば、日本語(国語)や日本語で学ぶ方が良いと思う算数、それに日本人として必要な常識などは、家庭で教える方が効率的です。

我が家は両親とも英語が苦手なので、家庭で日本語や日本の学習サポートをすることはできても、家庭で英語を教えることはできません。だから、インターで「人として調和のとれた育成」と「英語の習得」、家庭で日本語(国語)や算数に取り組むというこの方法が最もよかったと思っています。インターで学んだことを日本語で私に教えてくれるのも、均衡バイリンガルになる一助となったようです。

近くにインター小学校がない等の理由で、インターに通わない場合は「英語で学び・考える環境」を如何にして続けるかが重要です。私だったらネイティブ向けのホームスクーリングのオンライン教材を活用すると思います。

中学受験に関しては、早期英語と中学受験が両立できるか否かは、早期英語の方法と始める時期の問題だと思います。

・就学前から始めてコミュニケーションが出来るようになってから、文法を学ぶネイティブと同じやり方

・英語を文字から、文法から理解して習得していくやり方(従来の学校英語)

この2つの違いです。

後者の「学校英語」方式の場合は、英語の「学習」をしなければ維持できないため、中学受験とは相性が悪いでしょう。しかし、ネイティブと同じやり方なら、4年生まで「英語で学び、考える環境」があって、本格的な中学受験の準備に入る前までに習得すれば、英語の維持のために受験前の大変な時期に負荷を掛けなくても大丈夫です。実際、息子は6年生の1年間は、受験勉強の息抜きに英語の本も読んでいたし、CNN Student News(現CNN10)とNHK World newsは毎日欠かさず観ていましたが、この程度で帰国生入試の英語に対応できるレベルの保持が出来ていました。英語でのコミュニケーションを殆どしなかったので、会話力については衰えが見られましたが、中高ではネイティブによる取り出し授業を受け、すぐに追いつくことができました。

小学校5年生までの学習は、日本語や算数は、家庭でインターの宿題・課題に取り組んで、余った時間や長期休暇に時間を掛けて取り組みました。インターが夏休み期間には日本の小学校に通い、定期的に塾の公開テストを受けてレベルチェックもしていました。夫は中学受験経験者で、とにかく本格的な受験対策に入るまでは、国語と算数の学年相当の力をつけておけば良い、というスタンス。私は社会や理科もやっておかないと、と不安でしたが、理科についてはインターの授業もあるし、社会は暗記科目なので5〜6年生からでも充分だと思ってそのようにしました。塾に通い始めたのは5年生からです。その時は、高校受験がターゲットで、あわよくば地元の附属中学校に合格すれば良いなと思っていました。その後、塾や模試の成績が思いのほか良かったので、6年生から進学塾に通い、本格的に中学受験準備に入りました。

バイリンガル教育どころか早期英語すらやった経験のない方や、プリスクールまでで辞めてエレメンタリー以降は通わなかった方が、「早期英語と中学受験は両立できない」と主張しているのを見かけますが、幼少期から小学校の4~5年生までに私がやったようなバイリンガル教育であれば、中学受験と両立は可能だと思います。実際、大手有名進学塾が、一部で帰国子女や最難関志望の方に早期英語を提供し始めているのも同じ考えだと思います。

中学の志望校選定に際して、それまでに習得した英語を、中学入ってから如何にして維持・向上させるか?その答えをその時点では持っていませんでした。6年生の初冬に夫が首都圏のとある学校の入学説明会に行ったところ、その学校には、ネイティブの先生による英語の授業があるということを知りました。これは、指導要領に沿った日本人・初心者向けではなく、帰国子女向けの「英語ネイティブにとっての国語・母国語の授業」です。帰国生入試に合格するか、入学してから同じレベルの英語力があると認められれば、その授業を受けことができるのです。しかも、帰国子女ではない、国内インター出身の息子でも帰国生入試を受験することができると知り、夫は「この学校であれば、インターで習得した英語力を維持・向上させることができる」と考え、猛プッシュしてきました。進学塾へ通い始めるタイミングで少し出遅れたので、4教科の勉強に追いつくのが大変で、特に英語の対策はしないという条件で受験することを了承しました。結果、この中高一貫校に進学したので、英語の維持・向上を図ることができました。

我が家のバイリンガル教育の目的は、バイリンガルに育って「人生の選択肢を増やすこと」です。だから、英語に集中させて日本語を疎かにするという考えはありませんでした。日本語も英語も並行して「同じやり方」「同じタイミング」で習得させました。そうすると、何の対策もせずに英検準1級まで合格。対策をして6年生の時には英検1級に合格しました。就学前~小学校まで、ネイティブと同じように習得すれば、中高、或いは大学、社会人になって目指すレベルに到達することができるのです。

日本の中学・高校生の学力はかなり高く、足りてないのはリーダーシップや英語のコミュニケーション力と、その結果の国際感覚ではないでしょうか?だから、そんな日本の教育の良いところを捨てて、海外のボーディングスクールに行ったり、中高までインターにずっと通い続けるよりも、日本の強みを活かしつつ、グローバルに活躍できるように育てる方が選択肢が増えて良いと思い実行しました。

早期英語のメリットは、中学・高校生の多感で多忙な時期に、英語というツールを習得するために貴重な時間を費やすのではなく、そのツールを使って様々な機会を得て学ぶことが出来るということです。

英語は「将来、自分が必要と思ってからでも間に合う」とか、中学の入試科目に英語が追加されると、有利になるから早期から取り組む方が良いとか、受験準備が更に熾烈になるので大変とか、様々な考えや懸念があると思いますが、私の英語に対する考え方は一つです。ネットが発展して世界中が繋がり、最新の学習がどんどん提供されています。そのような中で、英語が出来れば、中学・高校生の時から、世界に目を向け、最先端の技術に興味を持つことが出来ます。中学・高校生という、「興味や関心」を持ち、「人格形成」に大切な時期をその「ツール」の習得のために費やしてほしくない。その前までに「ツール」の英語を身に付けておいてやりたいという事です。

早期英語を検討するのであれば、「日本の教育の良いところを活かした上で、英語のコミュニケーション力を身に付け、多感な中学・高校生の時期に世界中の同年代とコミュニケーションをして、情報・知識を得て、国際感覚や世界に通用するリーダーシップを身に付ける」我が子のそんな姿を想像して欲しい。

そのために「おうち英語」ではなく、「プリスクール→インターに通うバイリンガル教育」を勧めています。是非、検討してみてください。

Twitterからは既に離れてますが、ブログ(https://no-caramel.com/blog/)はちょこちょこ更新していきます。質問等がありましたら、「お問合せ」を使ってメッセージをお寄せください。TwitterのDMでもOKです。

皆さん、子育て頑張ってくださいね。さようなら👋

 

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