東大・海外大学(HYP)合格・「日本語も英語も」のためにやったこと

【Episode153】高校生 日米併願に反対する先生と揺れる息子

 
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2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
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息子は海外生活の経験がないので、一度学校を見に行くのも良いと考え、高校1年から2年に進級する直前の春休みに渡米しPrincetonYaleBrownMITを訪問。ルートHのアドバイザーに相談したところ、ルートH出身の各大学の現役留学生を紹介して頂き、連絡して実現しました。夫と一緒に移動して大学に到着後、息子は在校生と合流して一緒に行動、夫はひとりでホテル宿泊し、翌朝父子は合流して次の大学のある都市へ移動、という繰り返しの1週間。息子は在校生に案内してもらいながら、大学内を見学(実際の授業を体験させてもらえたこともありました)、夜は在校生の入る寮に泊めてもらい、サークル活動、寮生活、卒業後のことなどいろいろな話を聞いたようです。日本の大学のオープンキャンパスのプライベート&宿泊バージョンってとこかな。在校生の話を11で聞けるだけでなく、実際の授業を見学したり、寮で食事・寝泊りしたりすることで、その大学に入学後のイメージをしっかり描くことができ、さらには自分がその大学に行きたいかどうかをジャッジする良い機会にもなったと思うよ。そして帰国後はいよいよ日米併願を前提に準備・対策を開始したんだけど・・・、

ところが

・日米併願での勉強、対策はとても大変

・どちらも不合格のリスクがある

・日米では教育システムが違うので、併願は矛盾している

このようなことを面談(先生×息子)の度に言ってくる海外大学進学担当の先生がいらっしゃって、息子の英語以外の成績も見ずに、日米併願を再考するよう迫ってきたの。3通の推薦状のうち1通をこの先生に書いてもらう必要があり、息子は対応に大変苦慮してた。それもあって、高校3年のゴールデンウィークくらいまで「海外大学合も日本の大学も共倒れになるから海外大学出願はやめたい」と夫や私に度々言ってきて・・・。夫は「海外大学に行くチャンスがあるのに、必要な努力もせずに諦めるのは納得がいかない。」と息子の背中を押し続け、この時点では本人には言わなかったけれど、私には「共倒れになったら浪人して、翌年東大受ければいいじゃないか」とも言ってた。私は息子がしんどそうにしているのを間近で見続けていたので「そうは言っても、本人は浪人したくないと思ってるし、国内大でも良いじゃん」と言って、夫と衝突することも度々あったなぁ。その度に夫は「目的があって国内大に行くなら納得できるけど、この状況で海外大学を諦めたら、本人は絶対後悔するだろうし、国内大学すら受からないかもしれないぞ。」となんとも強気なことを言っていたんだけど、ある意味これは脅迫だよ。ただね、夫の考えもごもっとも。“目標を下げたら気が緩んで、国内大学のランクを下げたり、その下げた大学にすら合格できないかもしれない”と私も不安だったし・・・。一方、息子は一時的にヘタレることはありつつ、浪人はしたくないと強く思っていたし(最近はこう考える子、多いよね)、同級生の中での自分の成績もしっかり自覚していたから、“自分と同じくらいの成績のアイツ(仲は良いですよ)より下の大学に行くもんか”的なプライドもあったので、最後まで踏ん張れたと思うのよね。今となってはそう思うんだけど、当時は「日米併願をする・しない」でかなりゴタゴタしながら、海外大学進学担当の先生との3者面談を迎えてしまった。受験シーズン突入前の最後の面談!夫と息子に委ね、私は決まったことを呑むことにした。この3者面談の前に息子と夫は予め話をして、どうするかを決めてたみたい。海外大学担当の先生は、やっぱり夫にも日米併願を再考するよう言ってきたので、

・リスクがあるという理由で海外大受験のチャンスを逃したくない

・日米どちらの大学も不合格なら、その時次の選択を考える。浪人して翌年国内大受験も想定している。

・海外大学は学費も高額なので、奨学金をいただいて通うことが前提。息子が受験する予定の国内大学と同じ水準かそれ以上の大学に出願し、それ以下の海外大は受験しない(※「ここは良いよ」なんてたくさんの海外大学に出願するように言われたけど、息子が出願したのはEalyとRegularで1校ずつ。だから通った中高一貫校の息子の代の海外大学合格実績は、前後の学年と比べて少ないのよね)

とキッパリ伝えたとのこと。こうして

『両方不合格なら、浪人して翌年国内大を受ければ良いじゃないか~目指す海外大にはそれだけの魅力がある~』
と家族で再確認して日米併願で進むことになりました。

最悪を覚悟して吹っ切れた息子を見て、本当に海外大に行きたかったのね、と思っちゃった。これ以降は、息子も腹を括り、そんな息子を見て私もやっと?腹を括り・・・。見ている方向が定まれば、あとはそれぞれがやるべきことをやるだけ。我が家はここまでくるのが長かったな〜。

海外大学進学担当の先生がおっしゃることもわからない訳ではないんだけど、過去にも日米併願をした先輩が何人もいたので、もう少し理解があるのかと(勝手に)思ってたから、予想外の展開にちょっと驚いたというか、???となって動揺してしまったのよね。普段はもう少しメンタルは強いんだけど・・・。最近は国内大学のみならず、各学校の海外大学の進学実績にも注目が集まるようになったよね。息子の通った首都圏の中高一貫校は、Ivyを含め海外大学進学の実績が多数ある。「海外大学進学説明会」が毎年開催され、海外大学進学担当の先生から、前年度の合格実績、傾向など海外大学進学をめぐる様々な情報を得ることができ、また海外大学に進学した先輩が数名登壇して、どのような大学生活を送っているか?海外大学受験の経験談を交えたアドバイスをしてくれたの。連絡先も教えてくれるので、個別に相談にも乗ってもらったこともある。この海外大学進学説明会には生徒だけではなく、保護者も出席できるので、私は毎年出席していたし・・・。ひと学年上の保護者による「進学報告兼アドバイスの会」のようなものもあって、保護者目線での情報共有、アドバイスはとても参考になった。さらに、ネイティブと日本人の先生からなる海外大学進学担当のチームがあり、進路指導や、出願時に提出する成績表・GPAを用意していただき、推薦状を書いていただく先生の選定は、息子と相談しながらやってもらったりもした。奨学金を含めた海外大進学情報、出願に向けての様々な準備、そして生徒への精神的なサポート等がとても充実していたと思うけど、あくまでもインフラがよその学校より整っているというだけのこと。生徒がそのインフラをフル活用できるかどうかは別の話。実際、息子が入学する直前まではいたものの、息子が入学してから数年間Ivy+東大合格者はいなかった。息子が久しぶりのIvy+東大合格となったんだけど、日米併願に否定的な先生が上に立ってたら、そうなっちゃうよね。息子が入学する直前にIvy+東大に合格した先輩が海外大学進学説明会で登壇した際、在校生と保護者を前に「俺は自分の力で合格した。学校のおかげじゃない」とハッキリ言った時、先生方は苦虫を噛み潰したような表情をしてたんだけど、息子の学年が上がり日米併願を見据えた時に先生から反対されて、初めてIvy+東大に合格した先輩の言葉「俺は自分の力で合格した。学校のおかげじゃない」を実感したよぉ。夫とふたりして思ったのは、Ivy合格やIvy+東大合格者を学校が“育てた”というより、そういう素地のある生徒がたまたまこの学校に通って、充実したインフラを有効に活用できただけ、ということ。これはあくまでも息子が通った学校の話だけど、息子が中学受験で不合格だった御三家のうちの1校(海外大学進学実績あり)も、学校説明会で夫が質問したら「海外大学は出願したければどうぞ。邪魔はしませんよ」てな具合の解答だったから、進学校はそういう傾向はあるのかもね。

さて話は戻り、3者面談から暫く経った高校3年生の夏休みくらいから、海外大学進学担当のもうひとりのネイティブの先生がメインでサポートにつくようになり、息子へのサポートを丁寧にしていただいた。頻繁に息子とコミュニケーションをとって、情報共有やCheer upしてくれたみたい。息子はとても感謝しているので、帰国した際に学校に行くと、必ずその先生のところにも挨拶に行ってますよ。

ただ海外大についての情報やアドバイスが欲しい時期(高校1〜2年)は、前述の日米併願に後ろ向きの先生がメインで進路指導をしていたので、学校以外の海外大学進学塾を頼らざるを得えず、その度に都内に出向くのも含めて大変だったなぁ。今はオンライン対応をしているので、ホント羨ましい。コロナの影響の数少ないメリットはオンライン対応が随分進んだことだと思う。我が家は中学進学をきっかけに首都圏に引越ししたけど、あのまま地方住みだったら、(オンライン対応をしてない)コロナ前だったし、海外大学進学なんて考えもしなかったかもね。

 

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