【Episode118】7歳11ヶ月 終業式and夏休み

先生や同級生が息子に「夏休みが終わっても小学校においでよ」なんて声をかけてくれたらしいけれど、息子は「インターナショナル・スクールも小学校と同じくらい楽しいから」とパーフェクトな言い回しで丁寧にお断りをしたらしい。昔から“どちらかひとつ”を選択するように言っても、決まって“どっちも”と答えていた息子らしい回答。通知表といっしょにいただいた同級生からのお別れメッセージを一枚一枚めくってみて、改めてひとクラスの生徒数(約30人)の多さに驚いてしまった。とにかく最初から最後まで“楽しい 楽しい”と日本の小学校に通ってくれたのが何より嬉しかった。
息子をインターに通わせていることを、夫の身内は「何やってんだ?」と思ってたみたい。夫は義兄に「どげんするとや?」、義姉には「アメリカンスクールに行かせて、◯◯(息子の名前)を将来何にするつもりと?」と言われ、義父は「拉致のように九州に連れて帰って、そげなところに通わせてから!」と私に言ってきた。「積極的にインターに通わせたのは、私じゃなくてお義父さんの息子ですよ!」と言いたかったけど、我慢 我慢。怒りは夫にぶつけましたよ。義父も義姉も年配and地方人なので、その気持ちはわからないではないのよね。こっちは「インターナショナルスクール」って言ってるのに、義姉は「アメリカンスクール」って言い続けるし、義父は戦争経験者でもあるので・・・。東京で長く暮らしていて、夫と感覚も近い印象の義兄が否定的な態度だったのは意外だったけど、よくよく夫に聞いたら、インターに通わせることに対して、というよりインターに通わせるのは良いけど、デメリット部分に対して親としてキチンと対応するように言っていたと思うので、それだったら「仰る通りです!」だな。
インターでもらったreport cardは英語で書かれているので、身内に見せることは一度もなかったんだけど、日本の小学校に通い、終業式には“あゆみ”をもらってきたので、今年は初めておじいちゃん・おばあちゃんにも通知表を見てもらえた。お盆・お正月に親戚が集まり、子ども達が祖父母に通知表を見せながら、お互いにあれこれ言い合い、仏様(仏壇)にもあげて手を合わせ、最後にお年玉やお小遣いをもらう、という私の小学生の頃にやっていたイベントが息子の代でも復活。息子が通知表を見せると、私の両親も義父もじっくり見て「算数はようでけとう(よくできてる)」「図工はあんまりできとらんね。◯◯(息子の名前)のお父さん(夫のこと)もでけとらんかったもんね。同じやね」なんて嬉しそうに言いながら、どんどん話が膨らんでいく。自分が幼い頃にやっていた祖父母とのやり取りと同じことを、息子が義父や私の両親とやっているのを見て、息子をインターに通わせていることを快く思ってなかったのは、こういうやり取りができない寂しさのようなものがあったから?と思ってしまった。よくよく考えると、世代が違うので、共通の話題が少ない、おじいちゃん・おばあちゃんと孫にとって、通知表は話のきっかけになる、むちゃくちゃ優良アイテム。それだけじゃなく、通知表を見ているうちに、忘れたことも忘れてしまったような私や夫の幼い頃の出来事を思い出して、思い出話に花が咲いたり。通知表を見せるようになって、なんだか祖父母達がインターに通わせていることについての不満を漏らさなくなったような気がするぞ?気のせいかな?
息子をインターに通わせることを身内からは歓迎されてなかったけれど、考えてみると私のインターに対するイメージは、息子を通わせる前と後とではそれほど変わってない。そもそもインターに期待したのは、学習ではなくネイティブレベルの英語の習得。中学から本格的に始まる学校英語では遅いし不十分だと思ったので。小学校レベルの勉強はインターにも日本の小学校にも期待してなかった。学校は上手く利活用するものであって学校でやることを確認して家庭で補えば良いと思っていたので、学校選びもあまり拘らなかった。ただ、インターの学習、特にアクティブラーニングには本当に良い意味で裏切られたけど・・・。日本の幼稚園〜小学校に通っても、この時期は親のサポートは必須なんだから、インターでも日本の公立小学校でも、どちらでも良いと思っていて、英語を習得させたいという目的があったからインターに通わせただけのこと。早期に英語を確実に習得するメリットやインターでどれほどの英語力が身に付くか?を知らない人のインターに対するイメージとそんなに変わらないかな。それもあって中学・高校は日本の学校、と決めてたのよね。
さて、前年まで2年続けてインターが夏休みに入ると、そのままサマースクールに参加し、それが終わると間髪をいれずオーストラリアの公立小学校に行っていた。帰国してお盆が終わると、8月の最終週にはインターの新学期が始まったので、夏休みだというのに、かなりバタバタしていたんだけど、今年の夏休みはゆっくり時間が流れ・・・。ちょうどオリンピック・イヤーで、それまで見たことがなかったフェンシングやシンクロナイズドスイミング等の競技に興味を持ったものの、息子はオリンピックよりも甲子園派。親子でチャンネルの奪い合いが発生。「甲子園は毎年だけど、オリンピックは4年に1回」とか「あなたはスイミングで平泳ぎの練習をしているでしょう。北島康介の平泳ぎを見ておきなさい」とかなんとか言って、高校野球からオリンピックにチャンネルを変えても、息子は競技と競技の間にすかさず高校野球にチャンネルを合わせていた。日本の小学校に行って、かなり逞しくなったかも。
夏休み中に誕生日を迎える息子に、時間がたっぷりあるからと夫がひと足早くプレゼントしたのは、“にっぽん大図鑑”という図鑑。ところが、息子が関心があるのはその地域の特産物である食べ物だけ。「おかあさん ◯◯県って◯◯(食べ物の名前)がよく取れるんだね」しか話さない。他にも色々役立つ話が書いてあるじゃない?福岡県が江戸時代には筑前と呼ばれていたこととか、東京タワーのこととか・・・。なんであなたはそっちの方に興味を持たずに、食べ物ばかりに目を奪われ、図鑑を見ながら「おいしそう!」「うまそう」を連発して、とろけるような顔になるのかなぁ。あなたが見ているのは料理の本でもなければ食べ物図鑑でもない、“にっぽん大図鑑”ですっ!分かってますかっ?
夏休み直前に本屋で息子が欲しがった、“ちびまる子ちゃんのことわざ教室”というタイトルの本もそう。朝起きて着替えてから、朝ごはんを食べるまでの間に読みあさり、あっという間に1冊読み終えてしまった。息子が「おもしろかったよぉ、“ことわざ教室”のマンガのところ。丸尾君が◯◯したらちびまる子ちゃんが△△した。」なんて思い出し笑いをしながら私に話しかけくるので、「で、その話はなんということわざのものだったの?」と尋ねると、「えっとぉ???なんやったっけ?忘れた」だって。“毎朝読んでいるなぁ。感心 感心”なんて褒めてたのに、読んでいたのは“ことわざ”や“ことわざの意味”ではなく、その“ことわざ”に関係した内容の“ちびまる子ちゃん”の四コマ漫画の方だったのねっ!肝心なのは“ことわざ”であって、“四コマ漫画”ではないのに・・・。なんだかなぁ。
そんな息子も、1日おきの間隔でお願いしていた英語の家庭教師のレッスンは真面目に取り組んでいた。先生は毎回きちんと予習してレッスンの進め方や時間配分を考えるなど、しっかり準備をしてレッスンに臨んでいただいているうえに、息子のレベルにあったテキストを探してくれたり、復習のための宿題を用意してくれていた。高校の英語の講師をしていることもあって、教え方がとても上手。ゲーム感覚のレッスンや、タイム・トライアルで問題を解かせたりして、とにかく2時間、息子が飽きないようにしていただき、息子も先生のレッスンを楽しみにしていた。苦労して探してきた甲斐があったよぉ。
ゆっくり時間が流れた夏休みも、いよいよ終わりに近づき、あるミッションを遂行する時がやってきた。新学期からGrade3になる息子は、親の付き添いなしでスクールへの登下校が可能になる。これまでは私と一緒に雨の日以外は自転車で通学していたけれど、この頃の息子がひとりで自転車に乗って登下校するなんて絶対無理(危険という意味で)。そうなると徒歩かバス通学なのだけれど、乗物好きで今までバスにひとりで乗ったことがない息子はバス通学を選択。フリー定期券を用意し、自宅からスクールまでバスに乗って行く練習をした。定期券を失くした場合に備えて現金を両替したり、バス停から家やスクールまで道順の確認もしないとね。いざ、練習がスタートすると、定期券をカードリーダーに通す際に逆方向に挿入したり、準備を忘れて必要な時になかなかカードケースから出せなくてオロオロ。練習を始める前は自信満々だった息子も、予想外のケースをいろいろ体験してちょっと不安になったようで、「やっぱりスクール初日はお母さんがバス停までついてきて」なんて心細そうに言ったこともあったけれど、練習を重ねるうちに、ひとりでバス通学できる自信もついたみたい。私から新学期からのバス通学で必要になる腕時計を誕生日に渡すと喜んでくれました。