東大・海外大学(HYP)合格・「日本語も英語も」のためにやったこと

【Episode112】7歳5ヶ月 リーダーとは?③

 
この記事を書いている人 - WRITER -
2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
詳しいプロフィールはこちら

「スクールに行きたくない」と言えば、それもアリと思って、サラッと「休んでも良いよ」と言ってみたけれど、「行く」と息子は即答。なので「お母さんは家にいるから、何かあったら先生に言って電話してもらって。そしたらお母さん迎えに行くから」と1回だけ息子に伝えた。心配だから、何度も同じセリフを言ってしまいそうになったけど、先生も何とか解決しようと協力してくれているし、辛くなった時の逃げ道だけは確保して、息子の意思を尊重するしかない。電話がかかってくるかも?とソワソワしながら家で過ごしたけれど、かかってこなかった。それで、少し早目に迎えに行ったら、授業を終えた息子がお友達とニコニコ話しながらながら出てきてビックリ。「今日はいつものメンバーと仲良く遊べた」の言葉には、嬉しい気持ちが大半だったけれど、拍子抜けもしてしまった。「Alexとはどうだったの?」と聞くと、「一緒に遊んだし、ランチも食べた。いつもと同じようにお話ができた」と。Recessの時もMr, Raffiは前日のことには一切触れず、Time outにもならなかったそう。前日の出来事は一体なんだったの?長期戦も覚悟してたんだけど、とにかく子供達が元の状態に戻って良かった。

それから2〜3日経って、同級生(息子を無視したメンバーのひとり)がAlexと息子のふたりが揃っている時に「Alexと○○(息子の名前)はこの前ケンカしてたよね。どうして?」と尋ねると、Alexは一瞬とぼけた後に、「僕はお母さんとお父さんにたくさん怒られたけどね・・・。お母さんがすごく大きな声で怒ったから、隣りの家族が様子を見に来たんだ。僕は、もう少しで涙が出ちゃうところだったよ。お母さんもお父さんも忘れん坊だから、もう忘れているだろうけどね」

なんていうやり取りがあったことを息子から聞かされた。私が「MsConradAlexのママに言ったのかなぁ?」と息子に聞いたら、「ううん Alexはパパとママにパパとママにはなんでも正直に言いなさいって言われているんだって。だからその日スクールであったことを正直に話したら怒られたんだって」だと。

それから更に数日経って、Alexが息子に話した内容が以下。

「僕は日本語を話す子とダイレクトに話がしたいんだ。日本語で話しながら笑っているので今なんて言ったの?と聞くと、そのうちのひとりが”Alexに教えたらダメとか言うんだ。僕も同じタイミングで話を聞いて笑いたいのに・・・。僕と同じように日本語が話せないImanも同じ気持ちだと思うよ」

切ないな。親が帯同するなどして、海外の学校に通うお子さん達は、多かれ少なかれこんな思いをしているんだろうな。こういう経験がないので、どれだけAlexの気持ちを理解したいと思っても、そこに届かない自分が情けないと感じた。息子はAlexの正直な気持ちを聞いて、どう感じたのだろう?敢えて聞かなかったけど、息子がそのやり取りを私に話してきたということは、共有したい何かがあったのだろう。

「みんなと話せるリーダーになりたい」というAlexの求めるリーダー像も素敵だけど、誤解を恐れずに言うなら、こういうジレンマを抱えた彼が、それでもリーダーになる姿を私は見たい、と思った。

担任のMs, Conradや息子をTime outにしたMr, Raffiとは、この件について話をしなかった。私が把握していることすらご存知ないかもしれない。でも4ヶ月後のカンファレンスで、Ms, Conradは「○○(息子の名前)はリーダーだけれど、完璧なリーダーではないということです。お友達と言い争いをしたり、強く主張し過ぎたり・・・、それはどの子も一緒です。ただリーダーであるならば、そこは上手く対応していかなくてはならないので、機会がある度に○○(息子の名前)には説明するようにしています」と話してくれた。息子の顔を見ながら、諭すように。息子がリーダーシップを強く意識していることを踏まえた先生の言葉は、息子にもしっかり伝わったはず。

Episode99・100で触れて上級生とのトラブルも「言葉」と「リーダーシップ」が背景にあった。自分が小学生の時に、日本語でコミュニケーションが取れない同級生がクラスにいたかと問われたら、ただの1度もなかったし、リーダーシップなんて意識したことすらなかったよ。そんな私が息子をインターに通わせたこと自体、無謀だったんじゃないの?しかも当時は「ネイティブの比率が多い方が良いな」なんて自分に都合のいいことばかり思ってたんだよ。

インターに息子を通わせてみて、プリスクール・インターを検討していた当時の私に浴びせまくりたい言葉は以下のとおり。

「あなたは甘いね。インターナショナルスクールという環境の中、さまざまな国籍・言語を持つ生徒がコミュニティに溶け込むのにどれだけ苦労しているか?日本人には想像することすらできない差別もあるぞ」

「ネイティブの比率だと?人に頼るんじゃない!自分が話さないといけないんだぞ!周りに英語環境を求める親の子どもほど日本語を話すグループの中心にいて、英語でコミュニケーションが取れる日本人の生徒がとばっちりを受けて、ネイティブに疎まれることすらある。その誤解が解けるまで、英語でコミュニケーションが取れる日本人の生徒はひたすら頑張っているんだぞ。“ネイティブの比率が・・・”なんて考える前に、英語でコミュニケーションするように息子を説得(応援)する方が大切だぞ」

「インターの多様性?これも環境を求める前にまず自分自身!自分も多様性の1部、自分をしっかり持ってこその多様性。多様性がない中で生きていくのは、周りと同じことをすれば良いだけだから楽だけど、多様性の中で生きていくって疲れるんだ。そんな多様性の中に自分の子を放り込もうとしてるんだぞ。息子がアイデンティティーの形成を始めとする“根っこ”をきちんと形成できるように、腹を括ってサポートすべし」

ってとこかな。通ってみてわかったことってたくさんあったよ。

 

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -
2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
詳しいプロフィールはこちら

Copyright© バイリンガル子育て 実践と記録 , 2023 All Rights Reserved.