東大・海外大学(HYP)合格・「日本語も英語も」のためにやったこと

早期英語教育ってダメなの?

 
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2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
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【目次】
・賛否ではなく、良いやり方を追求する段階では?
・反対の意見と内容
・反対意見の分析
・早期英語教育とは

・おうち英語とバイリンガル教育の違い
・おうち英語の特徴
・バイリンガル教育の落とし穴:ダブルリミティッド
・まとめ

【賛否ではなく、良いやり方を追求する段階では?】
早期英語教育に関して、あの林修先生が「英語の早期教育を完全否定」したとか、プロの通訳の方が「インターナショナル・スクールに入れるのは愚の骨頂だ」とか、ネットでは未だに早期英語教育について「賛成・反対」が主張されています。
今や世界中の多くの学生や若者が自国語だけでなく英語を身につけ、SNSやネットを通じて世界中とつながり、情報を得て意見を発信し、自分の世界を広げている。この現状を踏まえれば、英語を何か特別なものとして教育論で「賛成・反対」を主張する段階ではなく、他国の若者と同じように英語を使いこなせるようになるために、日本人にとって「どのような早期英語教育のやり方がいいのか」を研究し、良い方法を突き詰めていく段階でしょう。

【反対の意見と内容】
それでも「反対」の主張がある以上、その分析していきましょう。
「反対」の主張は、
①母語である日本語が確立する前に、英語を学ばせると「どっちつかず」になる。
②英語の学習は、母語が確立してからの方が身に付くし、伸びる。
③英語の学習は、母語が確立してからで「充分」だし、必要ならそこから努力しても間に合う。
④お金を掛けてやらせても、すぐに忘れてしまって無駄になる。
⑤英語だけできても仕方がなく、他の教科や「中身」の方が大事。
大体、このような内容に区分されます。

【反対意見の分析】
それでは個別に分析していきましょう。

①母語である日本語が確立する前に、英語を学ばせると「どっちつかず」になる。
このリスクは、いわゆる「ダブルリミティッド」リスクです。「早期英語教育」全体に及ぶリスクではなく、イマージョン・プログラム(いわゆる英語漬け)であるインターナショナル・スクールや海外赴任のケースのリスクです。後で詳しく述べますが、「おうち英語」や「kidsプログラム」では、圧倒的に日本語(母語)に触れる機会の方が多いので気にする必要のないリスクです。また、イマージョン・プログラムでも、そのリスクを正しく認識してサポートすれば対処可能です。従って、①は反対の主張でありますが、「リスクを認識すべし」という警鐘だと考えます。

②英語の学習は、母語が確立してからの方が身に付くし、伸びる。
この意見はアプローチの方法の違いだと認識しています。つまり、「日本語(母語)の確立→英語(外国語)を文法から学ぶ→(必要な人は)コミュニケーション力を身に付ける」というこれまでのやり方と「日本語(母語)が未確立・・第2言語として英語(コミュニケーション)を並行して身に付ける→母語と英語の文法を学ぶ」というやり方の違いです。英語を古文・漢文と同様にコミュニケーション手段以外の言語として学ぶのか、日本語と同様にコミュニケーション言語として先に身に付けるのかの違いです。世界の中高生が母国語でない英語でコミュニケーション出来て、SNSやネットを通じて世界中とつながり、情報を得て意見を発信し、自分の世界を広げているという現状を見ると、より早くコミュニケーション手段を身に付けるべきだとわかりますね。そして、コミュニケーション言語を習得するのであれば、ネイティブの英語を聞き、真似して、反復して、「英語のまま」覚えるという方法が最も有効です。先に文法や構文を理解する必要はありません。従って母語が確立するまで待つ必要もない。むしろ、早ければ早い方がいいでしょう。そして、このようにして身に付いたコミュニケーション力が後に英語の文法などを学ぶ時にマイナスになることはなく、より効率的で効果的に学ぶことができると考えます。
一方で「日本の英語教育は素晴らしく、日本の大学入試の英語の問題はネイティブやバイリンガルだというだけでは高得点が採れない」とおっしゃる英語教師や教育関係者がいます。また「英語が話せなくても、英語の論文を正確に読める学生を合格さたい」とおっしゃる方もいるようです。このような先生方が求める英語はコミュニケーション手段ではなく「教科」であり「論文を英語の原文で読んで正確に理解する」能力を競うのだと思います。早期英語教育でコミュニケーションから英語を学んでも、文法や構文を理解し、正確に英語を理解することを阻害するわけではなく、むしろより高い能力になると思います。早期英語教育はこれまでの日本の英語教育を否定するものではありません。ただ、今の試験では理解できていることを日本語で表現する必要があり、英語を英語で理解するネイティブやバイリンガルには難しい「教科」だということです。
また、今の多くの大学生は英語の原文で論文を読む必要がなく、一方で、就活のためにTOEICのスコアアップの勉強をしています。また、在学中に外書講読をしていた東大生でも海外留学のためにTOEFLのスコアが足りずにそのための勉強をします。多くの学生にとっては不足しているコミュニケーション力アップが必要なのです。それは社会が求めているからだと思います。つまり、社会は「論文を英語の原文で読んで正確に理解する」よりも「英語でコミュニケーションが出来る」ことを求めるように変化したということです。

③英語の学習は、母語が確立してからで「充分」だし、必要ならそこから努力しても間に合う ④お金を掛けてやらせても、すぐに忘れてしまって無駄になる
これらの消極的な反対意見に対しては、「コスト・パフォーマンス」と「コストを誰が負担するか」について考えてみました。
英語を使って、今、社会で活躍されているほとんど方が、日本の学校で中学から英語教育を受け、その後、自ら努力してコミュニケーション力を含む高い英語力を身に付けられたのだと思います。そしてそのような方には「自分と同じようにすれば良い」という意見をお持ちの方も多いと思います。
しかし時代は違います。今は、世界中の若者が中学生・高校生の段階でSNSやインターネットを通じて英語でコミュニケーションし、世界情勢、人権、環境などに視野を広げ、グレタさんや周庭さんのようにノンネイティブでも英語で意見を発信し世界を動かしています 。高校・大学生にこそ英語のコミュニケーション力が必要で、大学を出て、就職し、留学という時間軸では遅すぎるのです。
更に、皆さんは、留学のために、「聞く」「話す」というコミュニケーション能力を高めるのに一体どれだけの時間をかけましたか?成人してからの貴重な時間を費やすことは一体どれだけのコストなんでしょうか?それで留学の最初の授業の英語は理解できましたか?外国人のクラスメイトとコミュニケーションできましたか?
では、小学生の時までに一定のコミュニケーション能力を身に付けた上で、学校英語教育を受けていく場合はどうでしょうか?その場合は、ゲームなどのやりたいことを削って時間を捻出しなければなりません。また、多くの場合一定の費用が掛かります。一方、中学生・高校生の段階でSNSやインターネットを通じて英語でコミュニケーションし、世界情勢、人権、環境などに視野を広げられる。学校英語を阻害しないどころか、相当なプラスの効果があります。一体どちらのコスト・パフォーマンスが高いでしょうか?
もう一つ違う角度からの論点があります。小学校までに英語のコミュニケーション力を身に付ける場合のコストは「親」がその多くを負担しなければならないことです。本人をその気にさせ、ゲームなどのやりたいことを削って時間を捻出するなどの管理・指導に加え、金銭的負担も伴います。「将来、必要ならそこから努力しても間に合う」という場合は、努力するのも金銭的負担をするのも、「本人」なのです。

また、折角、親がその気になってコストを払ったとしても、すぐに忘れてしまって無駄になるという④の意見があります。帰国子女やインターナショナルの幼稚園に通ったお子さんが、その時はネイティブと遜色なくバイリンガルであったのに、日本の小学校に行って数年後には全く話せなくなってしまったという話はよく聞きます。
言語能力には、「伝達言語能力」「認知言語能力」があり、「伝達言語能力」は、コミュニケーションできる環境にあれば比較的短い期間に習得できるが、使わないと忘れてしまいます。一方、「認知言語能力」は「伝達言語能力」を使って学習したり考えたりする能力です。
「伝達言語能力」によるコミュニケーション力だけであればすぐに忘れてしまうので、そのことを理解した上で、学校で英語の授業が始まるころまでコミュニケーションできる環境を継続する必要があります。読書のほかにインターネットやSNSなどを活用し、世界とつながっていけば、維持できるとともに視野が大きく広がることも期待できます。

⑤英語だけできても仕方がなく、他の教科や「中身」の方が大事無駄になる。
最後は「英語だけできても・・・」の話です。まず「他の教科」の方が大事という意見では、「日本語」「算数」がよく例にあげられます。日本語・算数が重要という点は私も全く同じ意見です。早期英語をやっても日本語を捨てるわけではないし、ダブルリミティッドのリスクもあるので日本語をしっかり習得し、日本語で考える力をつける必要があります。ただ、我が家の経験からは、英語と日本語の能力は小学校3年生くらいから「相乗効果」が出始めたと思っています。英語で学習する時間が増えれば、その分だけ日本語が疎かになるのではなく、英語で学んだ分が日本語に、日本語で学んだ分が英語にプラスになっていったと感じています。これは、「認知言語能力」が他言語にも転用できることから、それぞれの言語を通して向上していったのではないかと考えています。(勝手な素人考えです。専門家に聞いたわけではありません)
算数も重要だと思います。算数は論理的思考のトレーニングで、我が家では日本語で勉強させました。どれだけ英語が得意といっても日本語の方が理解レベルが高く、論理的思考に用いるのはよりレベルが高い方だと考えたからです。また、極端な「先取り」はやらせませんでした。特に「算数は100%理解してから次に進むことが重要」と考えていたので、先取りよりも100%の理解を重視しました。
次に、「中身の方が大事」という意見です。様々な能力や専門性が大事なのは言うまでもありませんが、中身の”方が”大事って本当ですか?私が大学生の頃に「英語が話せるよりも・・・」という話を聞いたことがありますが、30年以上前の昔の話です。バブル期で日本企業が本格的に海外進出を始めていましたが、まだまだ、社会人には帰国子女なども少なく、英語を話せる人が少なかった時代です。その頃に「英語が話せない社会人」がそのようなことをおっしゃっていた記憶があります。林修先生は同世代なのでその頃の話をされているのでしょうか?今や就職の応募資格にTOEICの最低スコアがある時代です。英語力が低ければ応募資格もなく、中身を見ても貰えないのです。今は、「一定以上の能力がある人は、当然英語を話すこともできる」と考えられています。

【早期英語教育とは】
それでは、具体的な早期英語教育のやり方、リスクとその対処方法について考えていきたいと思います。
早期英語教育には、いわゆる「おうち英語」からイマージョン・プログラムと呼ばれる「インターナショナル・スクール」や「海外のボーディング・スクール」、「親子留学」まであり、様々です。また、親の仕事の都合で海外赴任となり、現地校で英語を学ぶケースもあります。
一般に母語である日本語の基本的能力は10歳ごろまでに完成するといわれており、その後に英語を「外国語」として、文法や構文から「日本語で」学ぶ学校教育に対し、母語である日本語の基本的能力が完成する前から英語に触れさせ、コミュニケーションから「言葉」として「英語のまま」習得する方法全般をここでは「早期英語教育」と呼びます。(小さい内から単語や文法などをプリントで「勉強」するやり方はここでは想定していません)

【おうち英語とバイリンガル教育の違い】
早期英語教育の内、「おうち英語」と呼ばれる、家庭内で教材やインターネットを通じて英語に触れさせる方法、あるいは英会話教室の「Kidsプログラム」などは、家庭内で両親が日本語で話し、友達とも日本語、学校でも日本語という環境です。英語に親しみ、理解し、英語でコミュニケーションができるようになることを目指します。ここではこれらをまとめて「おうち英語」と呼びます。(両親の両方、または、いずれかが英語ネイティブや同等のレベルであるなど、家庭内で英語を使うケースはここでは想定していません)
一方、イマージョン・プログラムと呼ばれる「インターナショナル・スクール」、海外の「ボーディング・スクール」、「親子留学」などは、英語を「外国語」ではなく「第2言語」として習得し、その上で英語で学習し、考える力(認知言語能力)を発達させていきます。ここでは「バイリンガル教育」と呼ぶことにします。
巷では、この2つが区別せずにリスクと賛否が主張されているようです。

【おうち英語の特徴】
「おうち英語」で身に付け、伸ばしていく能力は、コミュニケーション力(伝達言語能力)です。「バイリンガル教育」のように、英語で学習し友達とも英語で会話するわけではないので、「認知言語能力」は、英語で身に付けずに日本語で身に付けて、その後に英語に転用していくやり方です。
一方で、「おうち英語」にデメリットは少ない。ダブル・リミテッドのリスクを主張し早期英語教育を否定する人は多くいますが、これは第2言語で学習する「バイリンガル教育」の場合のリスクであって、日本語で「認知言語能力」を身に付ける「おうち英語」では考えられないことです(家庭内で日本語なしの「英語漬け」を除きます)。
「おうち英語」で身に付ける「コミュニケーション能力」は、継続しないと急速に失われます。インターナショナルの幼稚園に通ったお子さんがその時はネイティブと遜色なくバイリンガルであったのに、日本の小学校に行って数年後には全く話せなくなってしまったという話はよく聞きます。日本語で「認知言語能力」を身に付けて英語に転用するようになるまで、どのように維持していくのかが課題です。インターネットやSNSなどでの英語のコミュニケーションを通じて世界とつながっていけば、英語力の維持だけでなく世界情勢、人権、環境などに視野が広がると期待できます。東大卒でも、海外留学のためのTOEFLのスコアが足りずに相当な苦労をしたり、就活のためにTOEICのスコアアップの勉強をしています。コミュニケーション能力を維持することは将来に亘って大切なことです。
仮に、残念ながら継続できずにかなりの部分が失われても、ヒアリング力だけでも、英語に対する興味・関心だけでも残るのであれば、それはそれで価値があると思います。(この場合掛けたお金は残念かもしれませんが😢)

【バイリンガル教育の落とし穴:ダブルリミティッド】
イマージョン・プログラムと呼ばれる「インターナショナル・スクール」、海外の「ボーディング・スクール」、「親子留学」などは、英語を「外国語」ではなく「第2言語」として習得し、その上で英語で学習し、考える力(認知言語能力)を発達させていきます。「バイリンガル教育」と呼ばれており、我が家の息子もこれです。
イマージョン・プログラムの最大の問題は、日本語も英語もそれぞれの単独話者のレベルに達しない「ダブル・リミテッド」になってしまい、抽象的な思考や様々な学習に必要な「認知言語能力」をうまく獲得できないという不幸なケースになるリスクがあることです。
我が家の場合、2歳からインターに通っていたので、各年齢において「聞く」「話す」能力はネイティブ並みに発達しました。Kindergartenから「書く」ことが始まり、休日には日本語・英語交互に日記を書くことを始めました。インターは週単位で宿題があり、分量も多い。毎週これをやるだけでもかなり大変なので、休日にきちんとやり続けた。しかしながらGrade2では「書く」力と「language arts」がやや劣っていることが判り、ドリルを取り寄せて取り組ませ、親が教えられないので夏休みにネイティブに補習をしてもらいました。また、読書は日本のものは日本語、海外のものは英語で交互に読んでました。その他に「おはよう童話」を毎晩読んで、口頭で要約と感想を伝えることも継続し、日本人の子と変わらない日本語レベルを維持するようにしていました。また、「家では日本語」「インターでは英語」と明確に切り分け、それぞれを独立した状態で使い伸ばすことが肝要と思い徹底させました。
このようにコミュニケーション力(伝達言語能力)を英語・日本語できちんと伸ばし、我が子の状況をモニタリングしていれば、このリスクは回避、対処可能だと思います。インターに通うとダブル・リミティッド(セミリンガル)になるのではなく、そのリスクに対処したかどうかの問題です。親が「インターに行かせるだけで英語がネイティブ並みにできるようになる」とか、「日本人だから日本に住んでいるからというだけで日本語がきちんとできるようになる」と錯覚せず、子供の状況をよく見て、必要な努力とサポートを怠らなければ対処可能だと思います。子供には十分な時間があるはずでゲームやTVなどに費やしている時間をちょっとだけ有効に活用すれば、この問題は解決できるはずです。

【まとめ】
最後に、早期英語教育については、次のように考えています。

早期英語はきわめて有効なコミュニケーション能力の習得方法です。
・人生トータルでは効率的な学習方法である
・若い時に世界とつながり、世の中を知ることができる
・極めて有効な受験対策にもなる

しかしながら、
・「おうち英語」は手軽さが特長だが、継続と維持の課題がある
・「バイリンガル教育」にはダブル・リミティッドのリスクがある。
それぞれの特長とリスクを理解し、正しく対処する必要がある

・努力なしに能力を身に付けることはできない
・親の努力・サポートなしには成り立たない

参考になったでしょうか?

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2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
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