東大・海外大学(HYP)合格・「日本語も英語も」のためにやったこと

英検について(小6で英検1級に合格した息子は、なぜ納得していないのか?)

 
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2歳の息子をプリスクールに通わせることになった母。息子がセミリンガルにならないよう、「日本語も英語も」育てるために意識してやっていたこと、当時は意識してやっていなかったけれど、今になって“やって良かった”と実感していることを書いています。
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最近、大学生の息子に「小6の時に英検1級に合格したけど、それに関してどう思う?」と聞いたことがあります。すると憮然とした表情で「訳がわからなかった。全然意味ない。なぜ受けさせたの?」という答えが返ってきました。

日本の小学校4年生になる頃、インターナショナル・スクールに通っていた息子に英検を受けさせてみることしました。そろそろインターから日本の小学校への転校を考え始めた時期であり、インターではネイティブと遜色ないレベルだった息子の英語力がどの程度なのかを知るためのテストとして、私たち親は英検しか知りませんでした。

10(小学4年生)の時に2級と準1級に合格、12(小学6年生)の時に1級に合格しました。2級と準1級は1回で合格、レベルチェックが目的なので1週間前に過去問を1度解いただけで試験に臨みました。1級も同じように受けたところ1次で不合格となり、さすがに過去問の他に、1級の単熟語のテキストを購入して対策をすることにしました。インターでも中学生にあたるGrade 6になり、それなりに難しい概念や単語を使うようになっていましたが、1級の単語は別でした。結果、3回目の1次試験でやっと合格しました(2次試験は1回で合格)。毎日ではありませんが、10ヶ月程英検11次試験の対策をしたことになります

1級の過去問や単熟語のテキストを見て感じたことは、ネイティブの12歳が知らない単語ばかり。高校生~大人が使うような政治、経済、アカデミックなもの、例えば「Balance Sheet/貸借対照表」や「Current account/当座預金口座」などは、小学校5・6年生が知らない概念の単語です。なので、息子に熟単語テキストを渡して「覚えなさい」と言うのではなく、私が日本語で意味や概念を説明して理解させる必要がありました。低学年の頃から毎朝CNN Student news(CNN10)やワールドニュースを見ていても知らない単語が多く、1級の対策のほとんどは、単語の概念の理解に費やしたと言って過言ではありません。

インターではスペリングテストやlanguage artsがありましたが、授業で理解し、関連付けて語彙を身に付けるので、年齢に応じた内容の本を読めば出てくるような語彙です。そんな息子にとって、難しい概念の「さわり」だけ理解して、まだ使うことのない単語とスペルを丸暗記するのは、とても違和感があり、苦痛だったと思います。結局、これで合格出来なかったら諦めようと思った6年生6月の試験で合格しましたが、息子は約10ヶ月に渡る英検1級の対策や受験に関しては納得できなかったようです。

息子は2歳からインターに通い、英語をネイティブと同じように「聞くまねる話す、読む書く」の順に習得していきました。従って覚える単語もほぼネイティブと同じです。絵本の読み聞かせから始まった読書も、年齢に応じた内容のものを読み進めていたので、年齢に合った単語や細かなニュアンスの違う多くの類似語を覚えていきます。私たちが学校英語でならったのは汎用的で標準的な単語であり、ネイティブが使う様々な類似語は広がりも深さも違います。例えば、「笑う」はsmilelaughくらいしか思い浮かばない私に対して、息子の読む本にはguffaw, grin, chuckle, giggle, sneerなどの単語がでてきます。意味もひとつひとつ違います。つまり、ネイティブの子供と学校英語習得者では、語彙数が同じでも、重なりが少なく、知っている単語が違うのです。

私たちが中学生になって英語を始めた時のようにdesk=机のように英単語と日本語を紐づけて暗記し、スペリング、文法、構文を理解して学習していくというやり方は、母語が確立して文法などの概念を理解した人が外国語として比較的短期間に学習する方法です。このやり方を小さい内からやって、ビデオ教材や発声ペンシルを使ってネイティブの音声に多く触れさせるやり方をしている人が多いかもしれません。でも、せっかく幼少期から始めるなら、ネイティブと同じプロセスで習得できるので、「聞くまねる話す、読む書く」という順で、英語を日本語を介さずに英語だけで習得することがお勧めです。私たちが中学校でやったやり方でやりながら、ビデオや発声ペンシルを使ってネイティブの音声に多く触れる「学校英語の先取り」よりも、基礎を深く、広く作っていく年齢に合った自然な習得方法だと思います。

英検は、息子が1級を受けた後で感じたことですが、中学校など学校で英語を学んだ人にあわせた試験だと思います。特に、上位の級は高校生以上が受験することを想定しているようで、使われる文章は、高校生や大学生、あるいは社会人に合わせた内容になっています。少なくとも小学生が理解している概念には合わせてはいないので、早期英語をやっている小学生の「英語力」を測定する試験としては向いていないと思います。対策が必要で、息子のように難しい概念の「さわり」だけ理解させながら、まだ使うことのない単語とスペルを丸暗記させることになり、息子と同じように「訳がわからない」という感想をお子さんも抱くかもしれません。

将来の高校や大学の受験のためや、早期英語を続けるお子さんのモチベーション維持のために英検を受験するという話を聞きます。何かのモチベーションがあった方が良いというのはそうかもしれません。それなら、ネイティブの同年齢レベルと比較した結果が判るテストを受けるのが良いと思います。子供向けTOEICと言われるJunior English Test(ジュニア・イングリッシュ・テスト/JET) 、TOEFL Primary、ケンブリッジ・ヤングラーナーズ英語検定 (YLE)あたりでしょうか?(他にも色々あると思いますが、まだ調べていません)

文法や構文、レベルを超えた概念の単語を覚えたりしなくても、年齢に合った本を英語で読み、文章を書くなどネイティブと同じような年相応のトレーニングをしていけば、英語力は向上します。実際、難しい概念の単語を除けば、ネイティブの12歳は英検1級程度の英語力を持っています。あとは成長するに従って、授業などを通してさまざまな概念を理解し、その単語を覚えれば良いだけです。

早期英語で身についた英語の「コミュニケーション能力」は、継続しないと急速に失われるので、とにかく継続することが大切です。年齢・能力に応じた語彙、読解力を身に付け、日本語で読んで楽しめるレベルの本を、英語で読み、楽しみながら、学校で英語の授業が始まる頃まで、その環境を継続することが、上手くいくかどうかの鍵を握っていると思います。でも、多くのお子さんに「英語はイヤ」という時期があり、場合によっては早期英語が継続できないケースもあるようです。「英語はイヤ」にはいろいろな理由が考えられますが、我が家が息子にやらせたような難しい英検対策がきっかけにならないようにしたいものです。5年生〜6年生の頃の息子は辟易とし、未だに不満に思っています。

息子の「全然意味ない。なぜ受けさせたの?」という言葉を、当時「なんか違うなぁ」と思いながらも、よく調べもせず、英検対策を息子にさせていた自分自身に聞かせてあげたい、と思いながら、自戒の念を込めて文字にしてみました。

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